地域観光プランニング
〜観光まちづくりの計画技術の体系化〜
観光まちづくりの計画技術の体系化、実装研究


2018年度は、観光地の持続性のための手法として、観光地の質や環境を認証する制度の事例研究や、居住者や潜在的観光事業者、従業員といった非観光者向けも含む観光まちづくりの情報発信のあり方について事例研究を行い、地域観光プランニングのプロセスデザインと要点を更新した。
2019年度は、持続性のある観光地形成の方法として、地域に新たな雇用を生みだせる事業、さらには、その経営者が次の事業展開や地域に再投資できる余力を生み出せる事業としての「ガチ・ビジネス」の創出が重要と考え、これを支援するファンドや、ハンズオン支援の仕組みと要点を、先進事例の調査から整理した。(事例:湯田中温泉郷「WAKUWAKUやまのうち」等)
2020年度は、コロナ禍の中で顕在化しているマイクロツーリズムやオンラインツアー等の仮想体験観光といった新しい観光の形を旅の時間軸や空間移動面から俯瞰的に整理したうえで、これまで考えてきた方法論の視点から評価した。また、コロナ禍を乗り越えるための新しい動きを始めているキーパーソンのインタビューを積み上げた。
また自治体の観光行政の今後のあり方について、短期的効果を狙ったプロモーションを中心とするフローの取組みだけでなく、地域に「レガシー」を残すストック型の取組みを目指すべきことを、全国自治体へのアンケート調査や事例をもとに提言した。

観光客の一部が地域に貢献する粘着力の強い関係人口になるには、楽しい観光から地域のしごとを支援するような観光まで、観光客が地域に関わる段階性を意識した観光コンテンツを用意する重要性を確認し、生業観光はこれに親和性があることが示唆された。
また、観光業と他の産業との事業者における地域内連携の意義は、ビジネス・エコシステムとして大きな収益構造を生む方向と、広域流通が止まるような非常時における地域経済循環のサブシステムとして観光を位置づける方向の2つがあることを確認した。このとき、宿泊施設は観光に限らない地域のインフラとして重要であることが示唆された。

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川原研(大学院)で研究を希望する方へ
- 受験前に必ず相談しに来てください。(ビデオ会議も可能です)。
- 観光に関わる簡単な研究計画書をEメールで送付ください。
- 大学院の合格前に、研究生として受け入れることはしていません(学科方針)。
- 受験の詳細は観光科学域HPをご覧下さい。夏試験(8月)、冬試験(2月)があります。