テーマ研究
学術的調査・開発研究、学会での研究
観光まちづくりに資するイベント・レガシーの戦略的形成
観光を手段として多様な産業振興やコミュニティ形成、地域課題解決をめざす「観光まちづくり」を推進するには、公益的視点から、短期的効果に留まらない成果をめざして戦略的に取り組むことが重要である。
本研究は、行政やDMO、事業者が最も一般的に取り組む観光事業のひとつである観光イベントやツアーの開催を契機として、都市・地域に中長期的に生じる良い影響や有形無形の資産であるイベント・レガシーを戦略的に生み出すための政策論、計画論、マネジメント論を構築するものである。
2023年度は、EUが指定した都市で一年間にわたり集中的に各種の芸術・文化行事を展開する「欧州文化首都(ECoC)」事業のうち、レガシー計画や予算、レガシープログラムを有し、まちづくりに繋がると考えられるボトムアップ型のプログラムを強調する都市に着目した。特に2018年にオランダのレーワルデンで行われたECoC事業を調査し、大規模な芸術文化イベントから生み出すことが可能なレガシー要素の抽出や、準備段階から開催年度、その後の展開までのプロセスデザインや計画論的視点での要点を整理した。
2023年度は、EUが指定した都市で一年間にわたり集中的に各種の芸術・文化行事を展開する「欧州文化首都(ECoC)」事業のうち、レガシー計画や予算、レガシープログラムを有し、まちづくりに繋がると考えられるボトムアップ型のプログラムを強調する都市に着目した。特に2018年にオランダのレーワルデンで行われたECoC事業を調査し、大規模な芸術文化イベントから生み出すことが可能なレガシー要素の抽出や、準備段階から開催年度、その後の展開までのプロセスデザインや計画論的視点での要点を整理した。
地域観光プランニング〜観光まちづくりの計画技術の体系化
観光まちづくりの計画技術の体系化をめざして、日本建築学会の小委員会として活動している研究である。行政の観光施策がソフト中心となっている状況に対して、より質の高い観光「エリア」を作っていくための景観や公共空間の魅力化といったハードと、観光コンテンツの開発などのソフトが連動した計画論をめざしている。それぞれに関わる先進事例の調査をもとに、従来の観光計画や都市計画・まちづくりとの関係のなかでポジショニングをしつつ、手法の要点を整理している。具体的には、地区スケールで環境・空間改善や、地理的・空間的・人的環境の中で観光資源をとらえることを重視し、実効性ある公民連携の取り組みとするための、フロートビジョンと実行チームのつくり方、社会実験を通しての事業化といったプロセスデザイン、持続的な観光地経営のためのエリアマネジメント組織や観光財源確保の方法等である。
地域観光プランニングカレッジ:観光まちづくり人材教育プログラムの開発

地域観光プランニングの方法論を体験的に学ぶ、全国の学生を対象とした3〜5日の合宿型ワークショップ「地域観光プランニングカレッジ」を毎年開催しています。地域観光プランニングカレッジとは、公共性や公益性、地域視点を重視してきた都市計画やまちづくり分野の計画技術や進め方と事業性や観光客視点を重視してきた観光事業を融合した新しい観光のプランニングとマネジメントのあり方を、具体的なフィールドや地域づくりの専門家、地域で観光に関わるビジネスに関心のある事業市民とともに学ぶ場です。日本建築学会の小委員会として活動しています。
観光まちづくりオーラルヒストリー研究

宿泊事業者主導の観光まちづくり研究
個人旅行時代の旅行者ニーズやコロナ禍を受け、地域に根差した先進的な宿泊事業者は、自身の宿泊事業の再生だけでなく、施設外の地域事業に投資したり多様な事業者と連携して、温泉街全体や周辺広域エリアの魅力づくりに取り組んでいる。そこには「観光を包含する地域のビジネス・エコシステム」を支える地域インフラとしての宿泊事業者の役割を見出すことができる。本研究はこうした視点で、宿泊事業者主導の観光まちづくりのあり方を探求する研究である。
2023年度は、天童温泉の複数の宿泊事業者が連携して設立したDMCの取り組みを調査し、旅館がもつ多様なリソースを活かして、遊休不動産活用や農家等と連携した観光ツアー事業を、事業採算性と地域貢献性のバランスをとりながら進める状況を明らかにした。
また、全国の温泉街の法定河川区域内の堤防や河川敷などを観光コンテンツとして活用する可能性を調査し、宿泊事業者が管理活用する可能性を考察した。
プロジェクターマッピング模型システムの観光活用研究

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都市の祝祭空間研究

まちづくり技術を生かした地域ブランディング

川原研(大学院)で研究を希望する方へ
- 受験前に必ず相談しに来てください。(ビデオ会議も可能です)。
- 観光に関わる簡単な研究計画書をEメールで送付ください。
- 大学院の合格前に、研究生として受け入れることはしていません(学科方針)。
- 受験の詳細は観光科学域HPをご覧下さい。夏試験(8月)、冬試験(2月)があります。